「今の時代、性別は一人ひとり違っていいはず」。アートやファッションで「多様な性のあり方」を発信する18歳
「もし、性別という概念がなかったら」と考えたことはあるだろうか。それは、理想的な社会の一つのあり方かもしれない。人々に性別がなかったら、「男性はこうあるべき、女性はこうあるべき」という観念にとらわれず、物事の選択ができる。
ジェンダーレスな(性別を感じさせない)服を着ていると不思議がられたりします。別に私は男にも女にも見られなくていいんですけど、「お前本当に女として見られない」みたいなことを言われる。あとはなんか「髪が長くないと抱けない」とか。そういう付き合いじゃないでしょって感じですけどね。「男だから奢んなきゃいけない」っていうのも私めちゃくちゃ嫌いで、絶対出しちゃいます。
桜子は生物学的には「女性」に生まれているが、「女性」に見られることを望んでいるわけではない。女性だと自認している人でも、自分を構成する要素の一つでしかない性別で判断されたり、「女性だからこうあるべき」という考えを押し付けられたりすることを嫌う人は少なくないだろう。
「性」を器用に使えなかった
小学校の低学年のときから自身の性別に対する違和感を感じていた桜子だが、中学校二年生になった頃は、ナイーブで自分を肯定できず、自分が「女性」