オンラインで観られる、「無駄に奪われる海の命」を1分間で表現したアート作品
月明かりの下、静かな海辺で舞う二人の女性。彼女たちは徐々に漁網に動きを奪われ、最後は息を引き取ってしまう。
©️Yusuke Oikawa / Greenpeace
世界規模の環境問題に取り組む国際環境NGOグリーンピース・ジャパンが8月27日に発表したアート作品『混獲 -Bycatch-』の物語である。 漁網に動きを奪われる二人の女性が象徴するのは、捕獲されるウミドリ。この作品は、ウミドリ、ウミガメ、海洋哺乳類を含む、対象とする魚種以外の生きものが一緒に捕獲されてしまう漁業の「混獲(こんかく)」への問題提起だった。 少なくとも年間16万羽のウミドリがはえ縄の釣り針についたエサを食べようとするなどして混獲の犠牲となり、何万匹ものウミガメが命を落としている。命を無意味に奪うこの「混獲」を正当化できる者はいないであろう。
©️Yusuke Oikawa / Greenpeace
映像演出を担当したのは、ハリーポッターのシアタープロダクション製作チーム等に参加した経験を持つタニクミコ氏。現在では環境問題に興味をもち、リサイクル可能な材料を使用してアップサイクルした衣装を制作し、イギリスやドイツで行われるファッションウィーク・サステナブル部門で発表を続ける世界的コスチュームデザイナーである。