“100年続く”を標榜するブランドと、“安心できるものを都心近郊で”を掲げる農業者が開いたワークショップ
子どもたちは太田さんが教える手順を真似て、手で野菜をちぎり、水を切る特大の野菜スピナーを懸命に回し、オリーブオイルとワインビネガーで味付け、と順次工程をこなしていく。実際に食べる段になると、「酸っぱい!」や「おいしい!」など、いろんな声が聞こえてきて、机の上は賑やかなムードに包まれた。
そんな明るい喧噪の隣で、ミナ ペルホネンの皆川さんに、今回のワークショップを開いた経緯と、ファッションブランドが食に携わる理由を聞いた。
「生活は切り離せないし、そもそも切り離すべきではありません」
今回ミナ ペルホネンが「call」で、青梅ファームとともに、野菜をテーマにワークショップを行ったのはなぜか。
創業から数年とまだ間もない頃に、独自の家具のデザインや、ファッションブランドでありながらインテリアファブリックの販売を始めた。また、オリジナルファブリックから始まる服づくりの背景を伝える個展『粒子ーーparticle of minä perhonen』を開いたこともあるミナ ペルホネン。その歴史から鑑みても、分野を横断する試みの数々は、皆川さんにとっては自然な思考の先にある、自然な選択だったのだろう。