『カメリア』ソル・ギョングインタビュー「平凡であろうと、努力はしているかもしれない」
「ときめくような時間を過ごすことができた」と撮影をふり返る。
「最近の韓国映画は、作品も撮影もとってもスピーディーで、じっくり映画について考えるヒマもないんだ。でも今回、行定監督は私に十分な時間をくれた。流れに身を任せるように現場に溶け込んでいくことができたし、撮影が始まってもデジタルではなく、フィルムが回るカタカタという心地よい音と共に、とても長い息づかいの中で芝居をすることができた。それは役者にとっては最高に興奮する瞬間なんだ」。
どこか煮え切らない思いを抱えたカメラマンのパクと、裸足で冬の釜山を歩く少女・かもめ。街の喧騒と2人の静かな心の営みを幻想的に描いたこの作品が持つ、韓国映画にはない独特のセンスをこう説明する。
「『Kamome』は日本的な情緒を感じる作品だと思います。
韓国映画はストレートで、伝えたいことを直接表現することが多いけれど、幻想的な雰囲気、儚い情緒を持っており、舞台は釜山だけれども、日本の良さを感じる作品です」。
さらに吉高さんについて「強烈な“匂い”を持った女優」と語る。「“香り”じゃなくて“匂い”。彼女の撮影期間は5日間だけだったけれども、すぐにスタッフやキャストの心をわし掴みにしたんだ。