俳優・加瀬亮を形づくるピース、新たなるピース、変わらず愛し続けるもの
加瀬さんが「自分が心を寄せて観てきたのは、どちらかというと日陰の世界」と口にするのは、そこに原点があるからなのかもしれない。
「僕のなかでテレビは華やかな世界。いままでやってきた単館系の映画は日陰の世界というか、何となくそういう感じが自分のなかにあるんです。いまはこうやってテレビ(ドラマ)に出させてもらうようになりましたけど、どこかまだ、お邪魔させてもらっているという感覚はあります。もちろん認知してもらういい機会にはなったと思いますが。昔から思っているのは、良いことの裏には必ず悪いことがくっついているもの。だから何とも言えないなって。ただ、映画(の世界)にいる方が僕は生活しやすいです(笑)」。
ハリウッド進出も果たし、60本以上の映画にその名を刻み、日本映画界を牽引する俳優として一目置かれているにもかかわらず、この謙虚さ。それも俳優・加瀬亮のピースの一部だ。
また、少し前の『永遠の僕たち』のインタビューでは、自分自身の性格を「飽き症」だと口にしていた。けれど、根本的なもの、“心惹かれる”もの、“好き”なものは変わることはなく、むしろこだわりを持っている。デジタル化が進む現代で「ビデオテープが好き」