堤幸彦監督、早大生に「諦める必要など全くない」と人生を説く
と“決意”を明かす。
映画に登場する路上生活者・鈴本について監督は「自分のルールで自由を、生活のスタイルを作り出しているけど、そのリスクとして暴力や権力、自然災害と向き合っている」と語る。モデルとなったのは坂口さんの著書に登場する、隅田川沿いで自ら建てた家で暮らす鈴木さんという路上生活者だが、坂口さんは彼を「師匠」として仰ぐ。「僕が鈴木さんに『鈴木さんは幸せなの?』って聞いたら『メチャクチャ幸福だと心から言いたい』と言ってた。自分で自分を幸福だと言う人に僕は初めて会った。彼らを『経済的な弱者』と呼ぶ人がいるけど、“経済”という言葉の元は“経世済民”で『世を直し人を救う』という意味。それは鈴木さんがやってること。すごく経済的に高度なことをやってるんです」と自らの意志で路上生活者として暮らす彼の“強さ”を説いた。
一方、映画の中に登場する鈴本にどこか人生を諦観している印象を抱き、世の無情さや哀しみを感じたという女子学生が涙ながらに「生きていく上で諦めるということが必要なのか?」と問いかけ、坂口さんが思わずもらい泣きする一幕も。堤監督は「あなたが『自分にはこういう強さと目的がある』と分かっているのであれば、諦める必要など全くない。