空前の大ヒット!『最強のふたり』監督が語る 世界を変えるための“ユーモア”
『最強のふたり』で描かれるのは、ある事故をきっかけに首から下が全て麻痺状態となり車椅子生活を送る大富豪・フィリップと、彼の世話係をすることになったスラム街出身の黒人青年・ドリスの友情の物語。この一見ありえないようなストーリーは、実話に基づいて作られたお話なのである。一体何が、監督を映画化へと走らせたのか?
「元々、モデルとなった実在の2人(フィリップ・ポゾ・ディ・ボルゴ&アブデル・ヤスミン・セロウ)を描いたドキュメンタリーを観たことがきっかけなんだ。とても現代的なテーマだと思った。“黒人で貧しい地域に住んでいる男は、すぐに盗みを働くに違いない”とか、“ハンディキャップをもっている人に対しては特別なルールが必要”とか、そんな社会的な先入観を全部取っ払ったものが描けるだろうと思ったんだ」。
それから共同監督のオリヴィエ・ナカシュと共に、何度となくモデルとなったボルゴ氏の元に足を運び、映画化を進めていったトレダノ監督。その中で見つけ出したもの、それは苦境の中にあっても忘れない“ユーモア”だったという。「実際の2人のエピソードをフィリップに語ってもらって、脚本を練っていったんだ。
だから、劇中のフィリップとドリスはお互いにからかい合いながらも、決して相手を傷つけるような意地悪は言わない。