空前の大ヒット!『最強のふたり』監督が語る 世界を変えるための“ユーモア”
そうやってユーモアを通して自分たちが抱えている深刻な問題の重さを、お互いに少しずつ減らし合っていく姿をリアルに描くことができたんだ。話を聞いていくうちに、フィリップは知性もユーモアもあふれていて、17年間の苦しい車椅子生活を通して、人生の意味を何度も自分に問い直してきた人なんだと感じたよ」。
既に世界中でこの感動を体験した人々から、絶賛の声が数多く届けられている本作。モデルとなったボルゴ氏たちは完成した作品についてどのような反応を見せたのだろうか?
「パリでプレミア試写会を開いたときに、約500人の観客に混じってフィリップに完成した映画を観てもらったんだ。映画が終った後で彼はこう言ったんだ、『いま、私は両手で拍手しているよ(笑)』って」。
本作然り、本年度アカデミー賞で5部門受賞した『アーティスト』など今年に入ってのフランス映画の躍進には目覚しいものがある。監督はその理由はアメリカ映画とは異なる魅力にあると言う。
「『アーティスト』をミシェル(・アザナビシウス監督)が撮ると言い出したときは、いまの時代に無声映画なんて狂っていると、みんなから言われていたんだ。
僕のときも、やはり周りからはあまりにも危険だと言われた。