ユアン・マクレガー、ダサかわ“中年”役に「俳優冥利に尽きる」
しかし!本作で見せるのは、これまでにない“中年男”という役柄。年の頃も現在41歳と、ユアン自身、ミドルエイジなわけだが、本作で演じているのはスマートに微笑みを称えたナイスミドルではなく、あくまでも中年の“オジサン”なのだ。
演じるのは、無理難題を持ちかけられたサエない水産学者・ジョーンズ博士。釣りだけを生きがいにする堅物学者だ。原作「イエメンで鮭釣りを」(白水社刊)では、主人公・ジョーンズは壮年期という設定だったこともあり、ユアンを配役とするのに原作ファンからは「若すぎるのでは?」という意見もちらほら…。しかし、本作を観ればそんな意見など一蹴されるほどの見事な“中年”ぶりを発揮している。そんな堅物のジョーンズをやり込める、エミリー・ブラント扮するバリバリのキャリアウーマン・ハリエットとの掛け合いでは、クスリと笑いつつも、ジョーンズが何だかちょっぴり可哀想に思えてきたりも。
この役を演じたことについてユアンは、「これは、信じることについての物語だ。
ジョーンズは、最初は何も信じない男だったが、シャイフ(大富豪)とハリエットとの出会いを通して人生を取り戻すんだ。そして、鮭がイエメンの川を上ってくることさえも信じ始める。