2016年2月10日 20:00
【インタビュー】鬼才ジャック・オディアール、『ディーパンの闘い』は「家族のラブストーリー」
(Photo:cinemacafe.net)
刑務所内でのしあがる若者を描き、カンヌ映画祭審査員グランプリを受賞した『預言者』(’09)、大事故で脚を失うシャチの調教師をマリオン・コティヤールが演じた『君と歩く世界』(’12)など、毎回衝撃的な題材と、繊細な人間描写で世界にインパクトを与えてきた、フランスの鬼才ジャック・オディアール。最新作『ディーパンの闘い』では、第68回カンヌ映画祭で『キャロル』(’15)などの話題作を抑え、最高賞パルムドールを受賞したオディアール監督に話を聞いた。
映画の主人公は、スリランカ内戦で家族を失い、難民としてフランスにやってきた元兵士・ディーパン。彼は難民申請をしやすくするため、赤の他人である女性と少女と偽装家族となり、パリ郊外の団地い落ち着く。しかし、暴力の支配から逃げてきたにもかかわらず、団地はギャングのアジトとなっており、3人はまたも暴力にさらされてしまう。難民や移民の受け入れ、人種、宗教的対立など、ヨーロッパ社会が現在抱える問題に背景に、オディアール監督は全てを失ったディーパンが、家族の絆を再び獲得していく姿を、ドラマティックに描き出している。オディアール監督本人はとても紳士的で知的な人柄。