2016年4月2日 10:00
【シネマモード】時代の“記録”に…『無伴奏』70年代ファッションに注目
(Photo:cinemacafe.net)
流行というのは、時代を映し出す鏡。追う者にとっては楽しいもので、気にしない者には少々やっかいではありますが、ファッション、食、音楽、思想…、そこで生まれたものたちが、後に時代考証する際に、大いに役に立つわけです。
映像作品においては、特にそう。特定の時代の空気を視覚的に表現できる、とても効果的な“ツール”になり得ます。映画<a href="http://www.cinemacafe.net/special/6657/recent/">『無伴奏』</a>で描かれる1969~71年は、学園紛争が盛んな時代。女子高3年生のヒロイン響子は、青春期特有の空虚感と大人への憧れで背伸びしています。自分たちの学校でも、制服廃止闘争委員会を立ち上げ、隙あらば学校でシュプレヒコールを上げているのです。
少女と大人の間という、あいまいな時を過ごしている響子は、同年代の若者たちと出会うことでひとりの女性へと成長していくわけですが、この年代の少女たちといえば、恋とおしゃれが最大の関心事。
学園紛争の真似事で選んだのは、制服廃止闘争。おしゃれする自由が認められるべきなのだと訴えるのです。