【シネマモード】『ニュースの真相』監督が語る、アメリカのジャーナリズム
――この事件に興味を持った理由は何だったのでしょう。
「私はライターになりたいと思って育ったんですが、長年、ジャーナリズムなのか映画なのか、どちらがいいのかと考えながら育ちました。というわけで、ジャーナリズムには非常に魅了されていて、ニュースの作り方とかその舞台裏についての映画が大好きだったんです。なので、自分もそういうものが作れたらいいなと思っていたことがひとつ。もうひとつは、メアリー・メイプスさんの本にとても感動したからなんです。テキサスに行き、彼女の家族に会って、かなりの長い時間を過ごし、いろいろな話をしました。彼女は非常に強い女性で、世界のいわば頂点に居て、そこから引きずり降ろされた。その間、彼女がいかにして耐えたかということは、とてもエモーショナルな話だと思いました。
そんな物語性と、自分の興味のあるニュースの舞台裏と、その両方が描けると思い、この題材を選んだんです」。
――映画はジャーナリズムではないですが、本作からは、犠牲を払ってでも伝えるべきことがあるという信念に基づいた “ジャーナリズムの本質”、つまりは最近なかなか感じることのできない“報道の良心”のようなものを感じることができました。