『幸せはシャンソニア劇場から』監督来日 映画の中で描かれたパリは実は…
と明かす。「映画の中でドゥースがスターになるのと並行して、ノラも同じ道を歩んでいきました。いまや、彼女の元にはアメリカからもオファーが届くようになり、監督として嬉しい限りです」と笑顔を見せた。
されに、物語の舞台はパリだが、パリのどの地区で撮影が行われたのか?という質問に、監督はしてやったりの表情を浮かべた。「罠にハマりましたね(笑)。実は、映画の中に出てくるパリは、全てスタジオのセットか、チェコのプラハで撮られたものです。安いから?ノン!映画の中に出てくるようなパリの街は、もはや存在しないからです。編集の段階で、(映像の中の)空いている部分にエッフェル塔を付け足したりしたので(笑)、実際にパリに暮らす人も映画を観て『あれ、おかしいな。
ここにエッフェル塔があって…』などと言っていました。現実を元に詩的な要素や自らの主張を織り込んでいったのです。ちなみに、俳優は本物の人間です」とユーモアたっぷりに秘密を明かしてくれた。
最後に監督は「30年代の姿や労働問題もありますが、最終的に描かれているのは友情です。この映画の4年後には大戦が始まるわけで、この時代に暮らしたいなどとは思いませんが、この時代の仲間意識、連帯感を懐かしく思う気持ちはあります。