田中圭“父・森宮さん”の特製メニュー! 原作でも印象的な手料理が登場『そして、バトンは渡された』
前田監督からは、食べながら目線をどう動かすのかなど細かい演出も入っていたようだが、「本当に美味しいと芝居も変わってくると思うんです」とプロデューサーが語るように、家族で食卓を囲むという、平凡ながらも贅沢な幸せを、美味しい料理と温かい空気感によって作り出していた。「せんるいさんの料理はどれも美味しいので、料理のシーンの撮影日は、俳優部はお弁当を食べないんですよね(笑)」とスタッフが明かすほど、キャストもせんるいさんの料理に胃袋を掴まれていた様子。
また、ひとり暮らしを始めた優子が久々に森宮さんを訪ねるシーンでは「手伝ってもいい?」と、優子と森宮さんが並んでキッチンに立ち、ミートソースのパスタを作る。森宮さんの背中を見て料理の道へ進むことを決心した優子が、森宮さんと同じリズム、同じ動きで、野菜を刻む姿は、何気ないなかに2人が親子として過ごしてきた時間が感じられ、胸にじんわりと響くシーンとなっている。
田中さんは「普段料理はしないので、どうにか編集で誤魔化していると思っています(笑)」と、最初は慣れない調理に悪戦苦闘していたものの、撮影を重ねるうちに少しずつ上達していき、包丁さばきや鍋ふりも器用にこなす料理上手の父親役を熱演。