インドから共感の輪が世界へ『グレート・インディアン・キッチン』劇場初公開
日本では、東京・大阪ほかでSPACEBOXが主催・開催した「インディアンムービーウィーク2021パート1」(6月)と「パート2」(9月)での上映では、男女の観客から圧倒的な支持を得た。また、9月に「FRaU」誌オンライン版で本作が紹介された際には、普段インド映画に触れていない読者層にも幅広くリーチし、「どこでどうやったら観られるのか」という声が多く上がったという。
ありふれた家事労働の描写を通して、インドのミドルクラスを中心に根強く残る家父長制とミソジニーを描いた本作は、マイナー配信サイトから、大手サイトへ、そして世界の映画祭へ。数奇な道筋をたどったウィズコロナ時代の特異なヒット作が、日本で世界初の劇場一般公開となる。
ストーリー
ケーララ州北部のカリカットの町で、高位カーストの男女がお見合いで結婚する。夫は由緒ある家柄の出で、伝統的な邸宅に暮らしている。中東育ちでモダンな生活様式に馴染んだ妻は、夫とその両親とが同居する婚家に入るが、台所と寝室で男たちに奉仕するだけの生活に疑問を持ち始める。教育を受けた若い女性が、家父長制とミソジニー(女性嫌悪)に直面して味わうフラストレーションがドキュメンタリー的タッチで描かれていく。