2022年2月5日 17:00
「人種差別の恐ろしさ語った」歌が危険視される…『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』本編映像
邪魔しないで!」とビリーが激しく叫び、観客と警官がステージに押し寄せる、というシーンだ。
このシーンは、観客には白人も多くおり、ビリーが歌う「奇妙な果実」が肌の色や身分の違いを超えていかに人々を魅了していたか、そしていかに合衆国から危険視されていたかが分かる本作の中でも特に象徴的なシーン。アンドラはその理由について、「彼女にはまるで磁石のように人を引きつける魅力がありました。そして、彼女はその力を利用して、アメリカの人種差別の恐ろしさ、リンチについて語ったのです。彼女には人々をひとつにまとめる力があり、当時の国の体制や(人種差別という)大衆文化に反駁したから、(当局が)あれほど怖がったのだと思います」と語る。
そして「この歌に刺激されて、私たちには物事を前に進めさせる力が確かにあるのだと、どうか思い出してほしい」と力強いメッセージを送っている。公民権運動の音楽的出発点とも言われる「奇妙な果実」圧巻のフル歌唱シーンは、映画本編で確認できる。
『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』は2月11日(金・祝)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。
(text:cinemacafe.net)