『ウルフマン』ベニチオ・デル・トロ インタビュー “初変身”を鏡で見ての感想は…
変身に要するメイク時間はなんと4時間!
「鏡の前で徐々に狼男になるまでを見ていたわけだけれど、初めて完成した姿を見たときは、僕の飼っているセントバーナード犬に似ていると思ったよ(笑)。格好いいとも思った。ただ、狼男になるまでの4時間は楽しくても、元に戻るまでの2時間は楽しくない。この特殊メイクは各パーツを顔に貼りつけているから、撮影が終わると2時間かけてそれを剥がすんだ。しかも、ほかのみんなは家路についているのに、僕とメイクのスタッフだけが広いスタジオに残されてさ。そのときばかりはリック・ベイカーを殺したくなったね。まさにウルフマンの気分だったよ(苦笑)」。
CGI全盛期のこの時代に敢えて手間ひまかける手法を選ぶ。
それはデル・トロのオリジナルへの愛、いかに『狼男』という映画を愛しているかの証でもある。
「オリジナルを彷彿させたかったから敢えてスタントの部分もCGIを使わないようにしたんだ。手作りの感覚を大切にしたくて。とは言ってもローレンスが徐々に狼男に変身していく過程と四つ足で走るシーンはCGIを使っているけれどね」。元々ある重厚なクラシカルさに輪をかけ、特殊効果とCGを組み合わせることで、往年の名作がバージョンアップしたというわけだ。