2023年1月16日 19:00
2人の男性がゼロから家族になる…2月公開『二十歳の息子』予告編解禁
で第53回日本映画監督協会新人賞を受賞し、2作目の『春を告げる町』(19)では福島県広野町を舞台に震災の復興とは何かを問いかけた島田隆一。
新たに始まった共同生活を1年にわたり記録した島田監督は、そこに生じるぎこちなさや軋轢、そして静かな心の交流を描き出している。被写体を見つめるカメラは親密でありながらも時に残酷なほど冷徹な眼差しを向け、感情の機微を丁寧にすくい上げる。また、極力説明を省くことにより、他者に対する想像力をかき立てる。
それぞれに“普通”の家族や人生を選択してこなかった、あるいはできなかった歳の離れた2人の男性がゼロから新たな関係を作る。「生きなおし」の旅を始めた2人の姿は、人が人とどう繋がりをもつことができるのか、そんな困難な問いをしなやかに捉えている。
この度、解禁された予告編では、「普通に育ってきた人たちはそのままでいいと思うんです」と自身とその周りの人々の環境の違いについて語る渉。「ゲイだって自覚したのは大体14歳くらいの時です。死ぬくらいならカミングアウトしてダメだったら死んでしまおうと思った」と言う勇気。2人の言葉から、彼らが世の中や社会に対して、違和感を感じながらこれまで生きてきたことが分かる。