2023年1月18日 20:00
『母の聖戦』テオドラ・アナ・ミハイ監督「この物語を伝えなければ」インタビュー到着
メキシコの誘拐ビジネスの闇に迫り、我が子の奪還を誓った母親の想像を絶する愛と執念の物語『母の聖戦』から、メガホンをとった女性監督テオドラ・アナ・ミハイのインタビューが到着した。
推定で年間約6万件の誘拐事件が発生するメキシコを舞台に描かれた、センセーショナルにして骨太な社会派ドラマは、決して裕福ではない庶民が犯罪組織に搾取され、警察にも取り合ってもらえない非情な現実を描き出す。全編にわたって主人公シエロの視点でストーリーが展開し、観る者を誘拐ビジネスの闇の奥深くへと誘い、理不尽な暴力が渦巻く光景を観客に目撃させていく。
入念なリサーチが重ねられた、リアリスティックな眼差しに貫かれた映像世界の強度。母の深い愛情と強い怒りを描きながら、並外れた緊迫感がみなぎるクライム・スリラーとなっている。
本作は、ルーマニア生まれでベルギーを拠点に活動するテオドラ・アナ・ミハイ監督の劇映画デビュー作。ルーマニア生まれのミハイ監督がメキシコの誘拐ビジネスを題材にした作品を撮るに至ったきっかけは、16歳の時にサンフランシスコに留学した際にメキシコをルーツに持つ友人がたくさんできたこと。親しみを持ったメキシコを久しぶりに尋ねた際、麻薬戦争の勃発により街の様子が一変し、市民の日常が危険に晒されていたことに衝撃を受けたからだという。