是枝裕和監督『怪物』、クィア・パルム日本映画で初受賞!2人の少年の物語に「審査員は満場一致」
監督・是枝裕和、脚本・坂元裕二、音楽・坂本龍一のタッグによる映画『怪物』(インターナショナルタイトル:MONSTER)が、第76回カンヌ国際映画祭にてLGBTやクィアを扱った映画に与えられる「クィア・パルム賞」を日本映画としては初めて受賞した。
フランス時間5月17日(水)にコンペティション部門の公式上映を無事に終え、9分半ものスタンディングオベーションで称えられた本作。同5月27日(土)20時半(日本時間28日午前3時半)から開催される授賞式での主要部門の発表を前に「クィア・パルム賞」の受賞が伝えられた。
「クィア・パルム賞」は、カンヌ国際映画祭の独立賞の1つで、2010年に創設され、第63回カンヌ国際映画祭から授与されている。公式部門とは別に独立した審査員が組織され、映画監督や俳優、ジャーナリストや大学教授、各国のクィア映画祭のプロデューサーなど、毎年5~8人が審査員となる。
対象となるのは、カンヌ国際映画祭のコンペティション部門、国際批評家週間、監督週間、ある視点部門に出品されたすべての作品。過去には、『キャロル』(トッド・ヘインズ監督)、『BPMビート・パー・ミニット』(ロバン・カンピヨ監督)、『Girl/ガール』(ルーカス・ドン監督)、『燃ゆる女の肖像』(セリーヌ・シアマ監督)などが受賞してきた。
本賞の授与にあたり、審査員長の『ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ』『パーティで女の子に話しかけるには』で知られるジョン・キャメロン・ミッチェル監督は「私たち審査員は、10日間で12本の映画を観ました。
1本を選ぶのは大変な作業でしたが、ある作品が満場一致で選ばれました。その物語の中心にいるのは、他の子どもたちと同じように振る舞うことができず、またそうしようともしない、とても繊細で、驚くほど強い2人の少年です」と紹介。
「世間の期待に適合できない2人の少年が織りなす、この美しく構成された物語は、クィアの人々、馴染むことができない人々、あるいは世界に拒まれている全ての人々に力強い慰めを与え、そしてこの映画は命を救うことになるでしょう。登場人物のあらゆる面を、繊細な詩、深い思いやり、そして見事な技術で表現した是枝裕和監督の『怪物』に、私たち審査員は満場一致でクィア・パルム賞を授与します」と述べた。
それを受け、「この作品を満場一致で選んで頂いたジョン・キャメロン・ミッチェルさん、審査員の皆さまありがとうございます。そしてこの喜びをここで分かち合って頂いている皆様にもお礼申し上げます。ありがとうございます」と感謝を述べた是枝監督。
「(ジョン・キャメロン・ミッチェルさんが)お話してくださった映画の紹介の中に、この映画を通して僕が描きたかったことが全て語られていて、ここで僕が何か言葉を重ねることは何も必要ないような気がしています。
僕がこの映画のプロットを手にしたのは4年半ほど前なのですけども、その瞬間からこの主人公2人の少年が抱えている葛藤とどういう風に、それを演じる少年と同じように作り手であるプロデューサー、監督、脚本家がその葛藤と向き合うべきなのか、どうしたら向き合えるのかをとてもとても時間をかけてやってきました」とコメント、「映画がすべてを語っていると思う」と語った。
『怪物』は6月2日(金)より全国にて公開。
(text:cinemacafe.net)
■関連作品:
怪物 2023年6月2日より全国にて公開
©2023「怪物」製作委員会
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