2024年3月14日 08:30
新潟国際アニメーション映画祭で初来日、「カートゥーン・サルーン」ノラ・トゥーミーが目指す“アニメ”とは?
絶対にあのアニメーション表現でなくてはならなかったのです。
高畑勲特集『火垂るの墓』©野坂昭如/新潮社, 1988
監督や各アニメーターがキャラクターに心を寄り添わせながら(他人事ではなく自分のことのように愛情を込めて)描いているのがわかります。それがこの作品を唯一無二のものにしています。美しい傑作であり、監督から世界への贈り物だと感じています。
人は誰しも困難に直面します。個人的であったり、より大きな国や世界規模ででも。いま、世界中がそのような状況となっていますよね。そんなとき、こうした作品は私たちを助けてくれる。
これまでの歴史を振り返り、未来がどうなっていくのかを考えさせてくれると思うのです。
「自分たちの声を見つけること」
それがスタジオの真髄
ーーご自身が作品を作られる場合、マーケットについてはどのように意識されていますか?
N・Tマーケットについては必ず意識しています。アニメーションのビジネスマーケットにはサイクルがあって、活発に作品を求めている時期とそうでない時期があります。いまはちょうど活発でない時期。もともとアイルランドは500万人の小さな国なので、自分たちだけで映画をつくることはできません。