2024年3月14日 08:30
新潟国際アニメーション映画祭で初来日、「カートゥーン・サルーン」ノラ・トゥーミーが目指す“アニメ”とは?
高畑勲監督の『火垂るの墓』は「美しい傑作」
ーー「カートゥーン・サルーン」のアニメーションは日本でも大変ファンが多いです。ご自身が作品を作るときに心がけていることは?
ノラ・トゥーミー(以下、N・T)「カートゥーン・サルーン」では私たちも常に自問自答しています。何が「カートゥーン・サルーン」作品たらしめているのか? アニメーションにして語るだけの価値があるものとは何か?
なぜなら、アニメーションはフィルムとしてつくるのに驚くほど手間がかかるので…手描きの2Dアニメーションは特にそうです。アイディア出しの段階から劇場で上映されるまで5年、10年かけて制作されるものもザラにあります。そのため、本当に語るだけのストーリーである必要があります。私たちは「勇気」を「美しい語り口」で、と自分たちによく言い聞かせています。この2つがとても大切なのです。
まずは、私たちが語らなければ、おそらく決して語られることのない物語をやろう。
そして、語るにしても私たちだからこその語り口でやっていこう、と。そしてこの「美しい語り口」ですが、決して砂糖をまぶしたような歯が浮く甘いお話、というわけではなく、アニメーションというメディア表現の可能性をさらに広げるようなものを指しています。