くらし情報『NECの府中事業場に衛星組立棟が新設 - 生産能力は2倍の最大8機に』

2014年7月3日 11:00

NECの府中事業場に衛星組立棟が新設 - 生産能力は2倍の最大8機に

スペースチャンバーは、内部に衛星を入れて、熱真空試験を行う装置である。宇宙は、日向側では100℃以上、日陰側では逆にマイナス100℃以下にもなる過酷な環境。真空で空気の対流が起きないため、温度のコントロールが非常に難しい。

しかし過酷な環境だからこそ、衛星が実際に宇宙に行ってから正常に機能するのか、打ち上げる前にしっかり確認する必要がある。これが熱真空試験だ。スペースチャンバーは宇宙環境を再現するための装置で、壁面に通した液体窒素や窒素ガスにより、マイナス173℃から90℃まで温度を調整することが可能だという。

このほか新工場には、最大8tまでの衛星を搭載し、打ち上げ時の振動を再現できる振動試験設備や、フェアリング内の大音量を再現できる音響試験設備なども用意される。従来は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の試験設備を借りていたため、衛星を移動させる手間がかかっていたが、一貫して自社で行えるようになる。


建屋と設備への投資額は約96億円(経済産業省のイノベーション拠点立地推進事業「先端技術実証・評価設備整備費等補助金」の採択事業となっているため、同社の実質的な投資は約76億円)。同社の宇宙関連事業の売り上げは年間500億円程度だったが、海外の衛星需要を取り込み、2020年度には1,000億円まで規模を拡大させることを目指す。

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