東京大学、ヒトがL-グルタミン酸に強い旨みを感じる仕組みを解明
を媒介する重要な受容体として機能している。
これまでの研究から、T1R1/T1R3が受け取るアミノ酸の種類には、動物種間で大きな差が認められることが報告されていたが、その差がどういったメカニズムによって生じているのかは不明となっていた。そこで研究グループは今回、その謎の解明に向け、T1R1/T1R3が受容するアミノ酸の種類が何によって決定されるのかについての分子メカニズムの検証を行ったという。
具体的には、多種類のヒト-マウスのキメラ受容体・点変異体におけるアミノ酸応答パターンを調べることで、ヒト型の「L-グルタミン酸受容に重要な残基」とマウス型の「幅広いアミノ酸を受容するために重要な残基」を同定することを試みたという。
その結果、T1R1サブユニット内に、それぞれの機能に重要な6残基ずつを決定することに成功。そこで、これら12残基をT1R1の分子モデル上にマッピングすることで、マウス・ヒトT1R1/T1R3間でアミノ酸受容がどのように異なるかについての考察を行ったという。この考察から、ヒト型の"L-グルタミン酸受容に重要な残基"は、T1R1サブユニットの細胞外領域に存在するアミノ酸結合部位近傍に位置していることが判明し、中でも6残基中でL-グルタミン酸受容に最も決定的に影響を与える2つの残基については、分子モデルのアミノ酸結合部位内において上下対に存在していることを確認。