NIMSなど、水素吸蔵特性を持つAg-Rh合金ナノ粒子の電子構造を観測
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物質・材料研究機構(NIMS)は10月16日、バルクでは合金にならず、また各々単独では水素吸蔵金属でもない銀-ロジウム(Ag-Rh)合金ナノ粒子が、なぜパラジウム(Pd)のように水素吸蔵特性を示すかを調べるため、その電子構造を観測したと発表した。
同成果は、NIMS 中核機能部門 高輝度放射光ステーションの坂田修身ステーション長、京都大学大学院 理学研究科の北川宏教授、九州大学 稲盛フロンティア研究センターの古山通久教授らによるもの。詳細は、「Applied Physiscs Letters」に掲載される予定。
元素の周期表中でPdの両隣りにあるRhとAgは、それぞれ水素を吸蔵する能力を持っていない。バルクでは合金になり得ないAg-Rhは、十数nmの大きさにして初めて合金化することができ、AgとRhが1:1のAg0.5Rh0.5合金ナノ粒子はPdと同様に水素を吸蔵する。しかし、なぜ、このような特性をAg0.5Rh0.5合金ナノ粒子がもつかは不明だった。
今回、Ag-Rh合金ナノ粒子の価電子帯の電子構造を高輝度放射光の高分解能光電子分光測定、および、理論計算により調べた。直径十数nm粒子の内部の電子構造を実験室のエネルギーの低い(軟)