2014年10月20日 14:21
NIMSなど、水素吸蔵特性を持つAg-Rh合金ナノ粒子の電子構造を観測
X線を使った光電子分光測定で調べるのは難しいため、大型放射光施設(Spring-8)にあるNIMSビームラインでエネルギーの高い(硬)X線を用いた。また、電子系のエネルギーの計算スペクトルから、実験結果を精密に解釈した。その結果、Ag-Rh合金ナノ粒子は、AgとRhが微視的に分離した混合物ではなく原子レベルで混成しており、その電子構造はPdの電子構造と極めて類似していることがわかった。Ag-Rh合金ナノ粒子に水素が吸蔵されるのは、この電子構造の類似性と関係していると考えられるという。
今回の成果から、Ag-Rh合金ナノ粒子は、その電子構造の観点からPdと同様に水素吸蔵のみならず有用な触媒となる可能性も示唆される。今後、その性質と物性などに関して共同研究を進めていく一方、同合金ナノ粒子の他、様々な新機能性物質が産業に展開できるよう、電子構造や原子配列に関するデータを提供し、データを活用した設計型物質・材料研究(マテリアルズ・インフォマティクス)の基盤を形成していくとコメントしている。
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