1分でできる世界遺産小話 (26) 和紙が「無形文化遺産」に! 富士山などの「世界遺産」との違いってなに?
そうすると、無形文化遺産の定義はとてもあいまいなものに思えてきます。
○世界遺産や無形文化遺産が身近なものに
ところで、日常的に和紙を使ってますか? 多くの人は使う機会はないかと思います。実家の和室に障子がはってあるなあ、とか、今度の年賀状は少し気合をいれて和紙をセレクトしてみるか、という感じではないでしょうか。そのように日常的ではない和紙がこれだけ話題になるのは、昨年6月の「富士山」の世界遺産登録と無関係ではないと思います。
日本人の象徴ともいえる富士山は、直接的に遺産価値と関わりのない箱根など周辺の観光地もまきこんで、一大ブームとなりました。その波が収まらないうちに、今度は12月に「和食」が無形文化遺産に登録されたのです。「和食」という、国民一人ひとりにとってきってもきれない食文化が登録されたことで、文化事業に関する話題がぐっと身近に感じられるようになったのだと思います。
ところで、いいのか悪いのか、「富岡製糸場」の登録は「富岡ショック」とでもいうものを多くの人にもたらしたのではないでしょうか。
「あんなに地味なものが世界遺産になるなら、うちの施設の方がもっとスゴイ、だったらうちも手を挙げればいけるんじゃないか」