米エネルギー省の予想によると、同国の天然ガスの生産量は、2013、14年はほぼ横ばいながら、15年以降、伸びが高まり、堅調に増加するとみられています。15年以降の生産増加を支える主な要因は輸出で、まずはパイプライン経由でのメキシコ向けが伸びるほか、17年には日本など向けのLNG(液化天然ガス)が加わることから、19年までの5年間は毎年、前年比二桁の高い伸びが予想されています。
メキシコは、天然ガスの産出国ながら、国内需要を満たせておらず、米国からの輸入に頼っています。また、メキシコのパイプライン網は天然ガスが産出されるメキシコ湾周辺の同国東部に偏って整備されています。このため、産業が集積している首都メキシコシティ周辺や、80年代以降、家電・自動車などの組立加工産業の集積が進んだ北部、そして、現在、自動車産業の集積が急速に進んでいる中部などでは、天然ガスの潜在需要が満たされていない状況です。ただし、現在、米テキサス州南部とメキシコ中部の同国最大規模の自動車産業集積地グアナフアト州とをパイプラインで結ぶという、超大型輸送インフラ・プロジェクト「ロス・ラモネス・プロジェクト」が進められています。