2014年12月9日 11:00
疲労やストレス……じんましんの意外な原因に迫る - リラックス時にも注意
「このDさんのケースは、アレルギーや機械的(物理的)刺激でなく、長時間勤務による慢性的な疲労と緊張が原因ですね。じんましんは緊張から解放され、ほっとリラックスした瞬間に出る場合があります。仕事の真っ最中でなく、仕事後に自律神経のバランスが変わって症状が出たのでしょう。また、入浴後や布団に入ると、リラックスするだけでなく、皮膚が温まって血管が拡張するためじんましんが出やすくなります」。
私たちの体は心臓や血管、筋肉などの働きを自分の意志とは関係なくコントロールする自律神経の影響を受けている。自律神経は、緊張時に働く「交感神経」とリラックス時に働く「副交感神経」に分かれ、シーソーのように交互に働いている。
リラックスモードになって副交感神経が優位になると皮膚の血流が増え、ヒスタミンも増えるためじんましんが出やすいという。症状を抑えるためには、抗ヒスタミン薬をのむ薬物治療が一般的だ。
「慢性的なじんましんの場合は、抗アレルギー薬を続けてのんでいただいてヒスタミンが出にくくなるようにします。いつ出るか分からない場合や抗アレルギー薬だけでは症状を抑えきれない場合は、即効性のある抗ヒスタミン剤による治療を行います。