2014年12月11日 10:39
阪大、超低熱伝導率を有する極小のナノドット結晶シリコン材料を開発
大阪大学(阪大)は12月10日、極小なナノドット結晶の結晶方位をそろえて連結した材料を形成する技術を開発したと発表した。
同成果は、同大大学院 基礎工学研究科の中村芳明准教授らによるもの。同大大学院 基礎工学研究科の吉川純助教(現物質・材料研究機構 主任研究員)、酒井朗教授、東京大学の塩見淳一郎准教授、アルバック理工の池内賢朗博士と共同で行われた。詳細は、「Nano Energy」のオンライン版に掲載された。
廃熱エネルギーを電気エネルギーとして再利用するための熱電変換材料には、従来、レアメタルだったり、毒性を持ったりすることの多い、重い元素を含んだ材料が使われており、より安価で環境に低負荷な材料が求められていた。今回、中村准教授は、ナノドット結晶の結晶方位をそろえて連結することで、高い電気伝導率で低い熱伝導率という熱電変換の高性能化に必要な特性を、レアメタルを使わずに実現した。このようなナノドット構造は、従来法では作製が不可能だったが、独自に開発したナノドット形成技術を応用することで、電気伝導率の悪化を適切に抑え、熱伝導率をバルクシリコンの約1/200まで低減することが可能となった。