早大、攻撃性を抑制させるための脳内の仕組みの一端を解明
が分泌されるというわけだ。LHは性腺からの性ホルモンの賛成を刺激し、FSHは女性の場合は卵巣内で未成熟の卵胞の成長を刺激して成長させ、男性の場合は睾丸で精子形成に関わるのである(画像2)。
なお、この生殖腺刺激ホルモンはバランスが必要で、ひたすら亢進していくだけでは、生物は困ったことになってしまう。そこで予想されたのが、抑制するためのホルモンの存在だ。しかし、抑制ホルモンはGnRHの発見から30年間発見されなかった。それほど見つけにくかった「生殖腺刺激ホルモン放出抑制ホルモン(GnIH)」を2000年に発見したのが、筒井教授なのである(画像3)。
GnIHもニューロペプチドの1種であり、産生するのは視床下部の中の「室傍核」にあるニューロンだ。そして脳下垂体に作用して、生殖腺刺激ホルモンの放出を抑えるのである。
GnRHとGnIHの産生箇所とそれがどのように血液中に放出されるのかを示したのが画像4で、「下垂体門脈」という視床下部につながる血管があり、そこにつながるターミナルから放出されて血液に乗って運ばれ、「脳下垂体前葉」に到達して作用し、前述したようにLHやFSHの放出や抑制を行って、卵巣や精巣といった生殖機能の中核部分に作用するというわけだ。