2014年12月19日 07:00
ゼロから始めるOpenStack (1) OpenStackの各コンポーネント
近年、従来の仮想化をベースとしたシステムから、新たにクラウドをベースとしたシステムの利用を検討する企業が増えつつある。その目的としては、クラウドにおける柔軟性・迅速性といった特徴を生かして、「ビジネスの俊敏性を向上したい」「運用コストを削減したい」といったことが挙げられる。
このクラウドはさまざまな要素で構成されており、主な要素としては、コンピュートリソース/ストレージリソース/ネットワークリソース、これらを連携するためのメッセージや認証の仕組み、そして、利用者/管理者が用いるポータル機能がある。これらの要素が連携することで、セルフサービスでの迅速なITリソース構成を可能にしている。
ただ、利用者の環境に応じて、これらすべての要素が必ずしも重要ではない場合もあるし、特定の要素においては、単一の仕組みに捕らわれずに、さまざまな手法が必要となる場合もある。
例えば、コンピューティングに関する機能はそれほど重要視しないものの、ストレージに関しては「オブジェクトストレージやブロックストレージなど、多様な利用方法を提供したい」といった要望があるケースもある。このように、クラウドにおいては、利用者や管理者に対して"本当の意味での柔軟性"を提供する仕組みが重要となる。