くらし情報『恋愛以前の男子たちへ (7) モテないハンパ者の矜持』

恋愛以前の男子たちへ (7) モテないハンパ者の矜持

しかも田舎でも浮いている。それはそうだろう。田舎で昼間まで寝ているような物書き稼業など、まあロクデナシの代名詞でしかない。田舎でもまたハンパ者なのだ。

だが、このハンパ者というポジションも、そんなに悪いものではない。東京に出張すれば「久しぶり」といって旧友が飲みに誘ってくれる。「田舎暮らしを聞かせてよ」と言って。それでもって田舎に帰れば、今度は「都会の話を聞かせてよ」と。


実際、たまに田舎に帰れば女房が黙って晩酌を用意してくれるし、「まだ飲むの?」という頃には、今度は東京に出張すればいい。旧友が「久しぶり」ともてなしてくれる。恋愛にこの技術を応用できないかとも考えたものだが、そもそも都会の女にモテず都落ちしたボクに、そんな器用なマネができるはずもない。

そんなテクニックを駆使できる人間なら、都会でもリッパに二股、三股……もしや何人もの愛人を囲える甲斐性が育まれたことだろう。まあ原稿を送るスピードは速くなったが、モテない男がもてるためには、まだまだ物理的な距離と時間が必要なようである。

イラスト: 田渕正敏
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