くらし情報『理研など、次世代時間標準である光格子時計の高精度化に成功』

2015年2月13日 09:30

理研など、次世代時間標準である光格子時計の高精度化に成功

理研など、次世代時間標準である光格子時計の高精度化に成功
東京大学と理化学研究所(理研)は2月10日、低温環境で原子の高精度分光を行う光格子時計を開発し、2台の時計が2×10-18の精度で一致することを実証したと発表した。この精度は、2台の時計で1秒のずれが生じるのに160億年かかることに相当するという。

同成果は、東大大学院 工学系研究科の香取秀俊教授(理研 主任研究員)、理研 香取量子計測研究室の高本将男研究員らによるもの。詳細は、英国科学誌「Nature Photonics」に掲載された。

光格子時計は、現在の"秒"を定義するセシウム原子時計の精度を1000倍近く向上させる次世代の時間標準として、世界中で盛んに研究されている。この光格子時計の精度向上を阻む最大の要因は、原子を囲む室温の壁から放射される電磁波(黒体輻射)が、原子固有の振り子の振動数を変化させてしまうことだった。

研究グループは、低温環境でストロンチウム原子を分光することによって、黒体輻射の影響を1/100に低減する低温動作・光格子時計を開発した。そして、2台の時計を約1カ月間にわたって比較することで、それらが2×10-18の精度で一致することを確認した。
このような高精度な原子時計の実現は、"秒の再定義"を迫るだけでなく、従来の時計の概念を超える新しい応用の可能性を秘めている。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.