2015年2月19日 07:00
ゼロから始めるOpenStack (4) OpenStackの最新版リリース「Juno」の紹介
前回はOpenStackを利用するうえでのメリットとデメリットについて説明した。今回は、本稿執筆時点において最新版のリリースとなる「Juno」の紹介を行う。
OpenStackの最新版となるJunoは2014年10月にリリースされており、初期バージョンから数えて10番目のリリースとなる。各コンポーネントに新機能が追加されているのはもちろん、新たにビッグデータサービスを提供するコンポーネント 「OpenStack Data Processing(プロジェクト名:Sahara)」 が主要コンポーネントとして追加されている点が大きな変更点となる。本稿ですべてを紹介することは難しいが、以下、新機能の一部について説明しよう。
○新機能「分散仮想ルーター」
注目すべき新機能に、ネットワークを管理するNeutronにおいて新たに追加された「分散仮想ルーター」がある。従来のアーキテクチャでは、仮想マシン間の通信はネットワークノードを介して行われ、パフォーマンスや耐障害性の観点から課題があった。これに対し、分散仮想ルーターの機能を利用すると、各コンピュートノードに仮想ルーターの機能を分散することが可能となる。