くらし情報『翼なき翼、宇宙を飛ぶ - 欧州の再使用型宇宙往還実験機「IXV」 (1) 初めて宇宙を飛んだリフティング・ボディ機』

2015年2月23日 10:51

翼なき翼、宇宙を飛ぶ - 欧州の再使用型宇宙往還実験機「IXV」 (1) 初めて宇宙を飛んだリフティング・ボディ機

さらに胴体から大きく張り出した翼は、構造的に弱点でもあった。

そこで、翼がなくとも飛行を制御することができるよう、胴体そのものが揚力を生み出すような形をした機体が考えられた。それが「リフティング・ボディ」である。

フティング・ボディは1950年代の米国で本格的に研究がはじまり、またソヴィエト連邦や欧州、日本でも研究が行われた。その過程でいくつかの実験機による飛行実験が行われたものの、すべて大気圏内の飛行であったり、あるいは宇宙空間には出たものの、軌道速度と比べ非常に遅い速度であったりと、純粋に「翼のないリフティング・ボディ機が宇宙を飛び、地球に帰還する」ことが実証されたのは、今回のIXVが世界で初めてのことであった。

○IXV

IXVが開発された背景には、ESAが2003年に立ち上げた「将来打ち上げ機準備計画」(FLPP:Future Launchers Preparatory Programme)というプログラムがある。これは将来のロケットにとって必要となる技術や要素を開発することを目的としたもので、例えば機体の信頼性の向上や製造や運用の簡略化、環境への影響の低減といった技術目標が立てられており、その中に「Reusability」

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