くらし情報『国循など、心臓ホルモンによるがん転移予防効果の仕組みを解明』

2015年2月25日 18:09

国循など、心臓ホルモンによるがん転移予防効果の仕組みを解明

国循など、心臓ホルモンによるがん転移予防効果の仕組みを解明
国立循環器病研究センター(国循)は2月24日、大阪大学との共同研究で、心臓から分泌されるホルモンである心房性ナトリウム利用ペプチド(ANP)が、血管を保護することでさまざまな種類のがんの転移を予防・抑制できることを確認し、その仕組を明らかにしたと発表した。

同成果は国循の野尻崇 生化学部ペプチド創薬研究室長、細田洋司 組織再生研究室長、徳留健 情報伝達研究室長、寒川賢治 研究所長らと、大阪大学呼吸器外科の奥村明之進 教授らの共同研究グループによるもので、米国科学アカデミー紀要に掲載される予定。

ANPは1984年に寒川氏らによって発見された心臓ホルモンで、心不全に対する治療薬として使用されている。また、肺がん手術の際、術中から3日間ANPを低用量持続投与することで術後の不整脈を抑制できることや、高齢者や閉塞性肺疾患を合併する肺がん患者ではさまざまな心肺合併症を予防できることが報告されている。

今回、肺がん手術時にANPを投与した患者を追跡調査したころ、本来は合併症予防のために投与されたANP群(手術+ANP群)は、手術単独群と比較して術後2年無再発生存率が良好であった。両軍において、年齢や性別、がん進行度などをマッチングさせた統計解析でも同様の結果が得られたことから、ANPが何らかのがん転移・再発抑制硬効果を持つことが考えられ、基礎的見地から解明が進められた。

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