猫がゴロゴロ鳴らしている時は穏やかな表情を浮かべることから、人間の微笑みに相当しているのではないかと考えられています。ゴロゴロが幅広く使われることを考えると、的を射た意見ではないでしょうか。
その一方、猫は怪我をした時、明らかに緊張している時、また死の直前にもゴロゴロと鳴らすこともあります。これはある種の多幸状態を表しているかもしれません。人間の末期患者でも、苦痛を和らげるために神経伝達物質エンドルフィンが大量に放出されます。エンドルフィンは脳内麻薬とも呼ばれることもあり、美味しいものを食べた時や性的に満足した時に分泌され、多幸感をもたらします。辛そうな時のゴロゴロはエンドルフィンなどの神経伝達物質が関係しているのではないかと考えられています。またゴロゴロの振動が痛みを軽減させたり治癒を促進させたりするのではないかという説もあります。
○ゴロゴロの仕組みは解明されてない!?
これまでゴロゴロの仕組みを解明するために様々な研究がされました。最初、猫には解剖学的にゴロゴロ音発生器のような特別な構造があるのではないかと考えられましたが、そのようなものは見つかりませんでした。そしてゴロゴロは通常の鳴き声と同時に鳴らすことができるため、ゴロゴロは喉とは別の場所から鳴っているのではないかと考えられ、血流説が生まれました。