くらし情報『韓国、月探査ローヴァーの試作機を公開 (2) 月探査機を打ち上げる韓国国産ロケット「KSLV-II」』

韓国、月探査ローヴァーの試作機を公開 (2) 月探査機を打ち上げる韓国国産ロケット「KSLV-II」

KSR-IIIはそれまでのI、IIとは違い、液体燃料を使うロケットであった。推進剤に液体酸素とケロシンを使い、ガス押し方式のエンジンサイクルを採用、推力は13トンであった。KSR-IIIの開発は難航し、また性能も低いものであった。結局2002年に1機が打ち上げられたのみで引退している。

当初韓国は、このKSR-IIIを発展させ、人工衛星を打ち上げられるようにした「KSLV-I」ロケットを開発するつもりだった。しかし海外から技術を導入するという形に大きく転換され、2004年にロシアのGKNPTsフルーニチェフ社との間で契約が交わされた。その結果KSLV-Iは、同社ロシアが開発、製造する第1段と、韓国が開発、製造する第2段とフェアリングを持つ形状へと変化した。

ロシアから提供されることになった第1段機体は、ロシアの最新型ロケットである「アンガラー」の第1段をそのまま流用したものだった。
ところが当時、アンガラーはまだ開発段階で、ロケットエンジンの燃焼試験が行われている程度であり、実機は影も形もなかった。実際にアンガラーが初打ち上げを迎えたのは2014年のことであった。当初、KSLV-Iの打ち上げ予定は2007年とされたが、アンガラーの開発が遅れたことで、当然ながらKSLV-Iの打ち上げも遅れることになった。

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