韓国、月探査ローヴァーの試作機を公開 (2) 月探査機を打ち上げる韓国国産ロケット「KSLV-II」
総開発費は1兆9,572億ウォンが予定されている。
ロケットは3段式で、全段に液体燃料を用いる。第1段には75トン級のロケットエンジンを4基装備し、第2段には第1段と同じ75トン級エンジンを1基のみ装備、そして第3段には7トン級ロケットエンジンを装備する。
75トン級エンジンは推進剤に液体酸素とケロシンを使用し、エンジンサイクルはガス発生器サイクルであるという。またノズルの壁面にケロシンを流して冷却し、さらにその後燃焼室に送り込んで燃焼にも使用する、再生冷却方式を採用しているとされる。なお、第2段に装着されるエンジンは、高真空環境に合わせて、ノズルの開口比が第1段用よりも大きくなっている。
韓国は羅老号の開発時に、この75トン級と同じ推進剤、同じエンジンサイクルの30トン級エンジンの開発を行っていた。これはウクライナのユージュノエ社からの技術供与があったとされる。
この30トン級エンジンは、将来的に羅老号の第2段に搭載し、打ち上げ能力を増したロケットを造ろうという計画があった。もし実現していれば、これがKSLV-IIと呼ばれるロケットになっていただろう。しかし計画は中止され、30トン級エンジンの開発も打ち切られ、この75トン級エンジンへ引き継がれることになった。