韓国、月探査ローヴァーの試作機を公開 (3) 打ち上げまで残り6年弱、迫るタイムリミット
韓国にとっては一刻も早くKSLV-IIを完成させ、人工衛星を打ち上げる能力を取り戻し、なおかつ北朝鮮の上を行く成果、つまり月着陸を成功させなくてはならない。つまり韓国にとって、月探査を行う第一にして最大の目的は「北朝鮮を超える」ということにある。そうした事情から、他国のロケットを使うという選択肢を取ることは政治的に、また国民感情からしても難しいだろう。
なお余談だが、韓国は2008年に、米航空宇宙局(NASA)が計画しているインターナショナル・ルナー・ネットワーク(ILN)という国際的な月探査計画に参画しており、探査機本体や打ち上げロケットは米国製ではあるものの、韓国が開発した機器が搭載されることになっている。ただ、ILNは2018年の打ち上げを目指しているが、現時点でもまだ検討中の段階にあり、韓国の月探査ローヴァーとどちらが先に打ち上げられるかすらも不明な状況にある。
○第二次月レースが開幕
2020年に間に合うかどうかはさておき、韓国が月面着陸に成功するのは時間の問題である。現在までに月面への着陸に成功したのはソヴィエト連邦、米国、中国のみであり、ここに韓国が続くことができれば、大きな偉業となろう。