同研究により、クロムが他の一般的な金属元素よりも多くの水素と結合することが実証され、長年の課題であったハイドライド・ギャップが克服された。理論計算によると、クロムにはさらに多くの水素と結合できる能力が秘められており、7つの水素のみならず、8つ結合したCrH8イオンや、9つ結合したCrH9イオンなどを含む錯体水素化物の合成が期待できる。
今後はさらなる水素の高密度化を進め、新たに合成された錯体水素化物の水素貯蔵や超伝導などの物性・機能性の評価研究を広範に推進していくという。
なお、今回の研究成果は、水素を高密度に含む水素化物の探索に向けて新たな指針を提示する重要な成果として、ドイツ科学雑誌「Angewandte Chemie International Edition」に受理され、2015年3月13日(現地時間)にオンライン掲載された。