自動運転など、いつのまにか生活に浸透する「ディープラーニング」 - 西田宗千佳の家電ニュース「四景八景」
そのためには小規模な演算を多層的に、大量に並列に回せるコンピュータが必須になる。そうした仕組みはGPUでの演算に向いており、GPUを使ったスーパーコンピュータの用途拡大を狙うNVIDIAにとっては格好の題材である……というのが、GTCでディープラーニングが脚光を浴びる理由である。
○パトカーとRVを見分ける自動運転車
ディープラーニングはどのような価値をもたらすのだろう? 現在も音声入力や顔認識は、ディープラーニングの成果が生かされ、精度アップにつながっている。しかしここでは、もう少し目で見てわかりやすく、インパクトも強い例を挙げたい。
GPUによるスーパーコンピューティングとともに、NVIDIAが現在力を入れているのが「自動車」だ。1月のCESでは、アウディと共同で自動運転車「Jack」を開発、シリコンバレーからラスベガスまで「完全自動走行」するデモを行った。画像はCESに展示されたものだが、注目は道を走る自動車の種別が正確に認識されている点である。Jackにはカメラが搭載され、そこからの映像をディープラーニングによる画像認識で分析し、人や車を避け、パトカーに特に気をつけ(笑)、まるで普通の車のように走行してきた。