フォントは"ハートで作る"もの - モリサワ「タイプデザインコンペティション 2014」
こんな雰囲気だというメモやラフをノートに書き留めるものの、具体的なスケッチは描きません」と話し、頭の中のイメージをもとに漢字もひらがなもすべてMac上で作ること、漢字を先に作りイメージを頭に入れてからひらがなを作ると心地いいものになることなど、書体作りの持論を紹介。最後に「すずむし」がカフェで作業をしながら製作されたことに触れて、「文字は気楽に、誰にでも文字は作れる。必要なのは、こういうものが作りたいという想像力と、やってみようという行動力、そして少しの忍耐力だと思います」と話し、セッションの幕を閉じた。
最後のセッションは、字游工房の鳥海修氏による「書体をつくるうえで大切なこと」。鳥海氏は冒頭で「今日は"ハートで作る"という話をしたいと思います」と切り出し、京都精華大学での7年間にわたる講義の中で作られた「クリームシチュー」、「おやすみ良寛」、「おかあさん」の3書体を紹介。書体を作り終えた学生の「(書体が)完成したときは自分の子どものように思った」との言葉を紹介し、「この感覚が学生に一番感じてほしい気持ち」と喜びを交えて話した。
鳥海氏は話の最後に「ハートで作る」ということについて、「タイプデザインまたは文字は、手で描くことがとても重要だと思う。