次世代型プッシュ通知基盤「Pusna-RS」とは-1万4000件以上/秒を実現させた開発秘話
リクルートテクノロジーズ ITマネジメント統括部APソリューショングループの宮川典久氏は「APソリューショングループは、リクルートグループ全体のフレームワークやアプリケーション基盤などを横断的に提供している部署です。しかし、技術の進歩が早いIT業界において適切なサポートを行っていくためには、常に新しい技術を開拓していく必要があります。その一環として、課題を抱えるプッシュ通知基盤のリニューアルに至りました」と語る。
プッシュ通知基盤の再構築にあたり、当初は外部のASPサービスを使う選択肢も候補として挙げられていたが、ここで、宮川氏の「新しい技術を使って自分たちで作りたい!」という熱意が周囲を動かし、新たなプッシュ通知基盤の検討が始まったのである。
○最新技術で約340倍ものスピードを実現した「Pusna-RS」
Pusnaが抱えていた具体的な性能面の課題としては、まず配信スピードの遅さが挙げられる。当時のスペックでは、1000万件分の配信を行うのに分割で約1週間もの時間が必要だった。たとえば朝のニュースをプッシュ通知で配信する場合、スピードが遅いと狙った時間に全ユーザーへ通知できず、まったくもってニュースアプリの意味を成さなくなってしまう。