兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃 (5) 兼業漫画家は"大平原"の夢を見るか
○炎上もブレイクも"ホンモノ"に訪れる
発信元のネットだけでなく、テレビや新聞などでも見られるようになった「ネットで話題」というお手軽な言葉を聞くと、いとも簡単に話題になれるような気になる。だが、広まるのはやはり「実力のある良作」であり、それはネットもリアルも変わらない。「炎上商法」も同じことであり、バカのフリをして売名してやろうと思っても大半はシカトされ、数人の人間に「バカだな」と思われて終わりであり、やはり炎上するのはホンモノのバカ野郎なのだ。
日々、ネットで何かをきっかけにブレイクできないかと考えて過ごした5年であったが、結局、話題になるような良い作品を作るしかない、というのが結論である。しかしそれはなかなか難しい、なぜなら、30秒に1回エゴサーチをしているので、良作を作る時間がないのである。これを見た皆様はぜひ、私の名前を入れてTwitterでつぶやいて欲しい、必ず見つけ出して見せる、ただし悪口はいらない。どうしても言いたいなら、次の日に口内炎が7個ぐらいできる覚悟で臨んでほしい。
カレー沢薫
漫画家・コラムニスト。
1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。