くらし情報『常温かつ小型の量子コンピュータの実現に前進 - 東大、量子テレポーテーションの心臓部の1チップ化に成功』

常温かつ小型の量子コンピュータの実現に前進 - 東大、量子テレポーテーションの心臓部の1チップ化に成功

そこで今回、研究グループは、シリコンチップ上に2つのホモダイン測定器に相当するビームスプリッタ(BS)を内蔵し、そこで測定のための変換を行い、最終的に光検出器での測定を可能とする、いわゆる量子コンピュータの心臓部とも呼べる箇所を形成することに挑んだ。具体的にはシリコンウェハ上に光ファイバを形成するのと同様、シリカのガラスを成膜。リソグラフィでパターンを露光し、そこに不純物をドープすることで屈折率を向上、その後、さらにふたをするようにシリカのガラスを成膜することで幅約3μmの導波路を実現したという。導波路は2つずつ4組並べられており、それぞれの上部にはヒーターの役割を果たす配線と電極を設置。電極に電流を流すことで、ホモダイン検出素子の1対のパスの長さが変わることで、ビームスプリッタの比率を変化させる効果を実現。これにより、単純な回路だけでミラーやレンズを複数組み合わせた効果と同じ効果を発揮できるようになったとする。また、このホモダイン検出素子は温度の変化によりビームスプリッタの比率を自由に変化させることが可能。そのため、はじめは50:50であったものを、(冷却する期間は必用となるが)1:99に変更する、といったことも電流の制御だけでできるといったメリットもあるという。

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