LGが打ち出した「有機ELシフト」の本質 - 西田宗千佳の家電ニュース「四景八景」
というのは、あり得ない話ではない。
韓国メーカーというと、まだ「後追い」と思っている人がいる。それはまちがいだ。彼らはすでに中国に追い立てられる立場にある。積極的にリスクをとっていかないと、すぐに入れかわってしまう可能性が高い。事実スマートフォンやスマートフォン向け部材では、そんな状況も見えてきた。
LGは、テレビの開発プラットフォームを変え、スマートフォン由来のOSに変えることでも、他社に先行した。サムスンのような派手さはないが、技術面では日本メーカーの手強いライバルになりつつある。
画質向上や最終的な作り込みにおいて、日本メーカーはまだ強い。だが、すでに強みはそこにしかない。だから、「全世界に対して大々的にテレビを売る日本メーカー」は減ってきている。シャープと東芝が世界戦略にブレーキをかけており、パナソニックとソニーが残る……という状態だ。その両社ともに、技術面では他社と協力のうえ、シュアなビジネスを志向することを明言している。世界のテレビ市場のトップグループに残れるか否かは、ここから数年の戦略で決まってしまうだろう。