エアアジア8501便の墜落原因とは? 現代の航空技術が直面する問題を分析
が凍結し、コンピューターがシャットダウンした。
そのため、パイロットは自動操縦なしでの高所飛行を余儀なくされ、実際は速度超過していなかったが誤解して減速したために失速し、沈むように落下した。QZ8501便が墜落した当日の気象衛星データを見ると、上空は嵐で雲が多く、最低気温はおよそ零下80度。ピトー管を温めるヒーターが故障したと仮定すると、ピトー管が凍結してこの状態に陥ったことも十分考えられる。
そのほか、落下中に空中で爆発したという報道もあったがその可能性は低いという。ジャワ海で発見された残骸の位置を基に専門家が分析したところ、胴体の後部が最初に海面に激突した形跡があり、ボイスレコーダーの音声にもパイロットが最後まで墜落の回避を試みようとする一部始終が記録されていた。
過去50年間の多数の航空死亡事故は悪天候が原因で発生した。今後も気候変動や地球温暖化が進行すれば嵐が起こりやすくなり、その危険性がさらに増すという専門家の指摘もある。
また、航空事故の約8割は予測不可能な要素が原因で、その1つが人的ミス。今では「自動車よりも安全」といわれるほどに進化した航空機だが、操縦が高度に自動化された現在こそ複雑なシステムの習熟がパイロットに求められ、それに伴い、緊急事態発生時に手動で操縦する訓練もさらに必要となる。