兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃 (7) カレー沢薫の華麗なる交友関係
だが、当方会社員もやっているので、年末の平日に会社を休み、飛行機と宿をとって出席するというのは、いくらなんでもエクストリーム忘年会すぎる。
それと、デビューした年に「売れたら行きます」と言ってしまったことも影響している、これは「未来永劫行きません」と宣言したようなものである。自分が雑誌の看板作家ならわざわざ上京してチヤホヤされにいく価値はあるかもしれないが、数万の交通費をはらって「お前誰?」という顔をされ続ける会に出席するというのはいくらなんでもドMすぎる。
だが仮に、東京在住の専業漫画家だったとして、そう言った会合に出席するかというと、行かないような気がする。なぜかと言うと、性格がとにかく卑屈で嫉妬の塊だからである、その場に売れている作家(大体が自分より売れている)がいれば、ものすごく卑屈になるか妬むに決まっている。それも「いつか漫画でお前を超える」という前向きな嫉妬心なら良いが、パンチやキックを駆使してその場で何とかしてやろうと思ってしまうのである、もちろんそんな度胸はないので脳内でやるのだが、こんなことを考えながら飲む酒が美味いわけがない。○「うまい酒」を酌み交わすための座組
よって、私が安心して飲もうと思ったら、全員私と同列か、それ以下しかいない会、ということになる。